胃がんリスク検診(ABC分類)
胃粘膜萎縮(胃粘膜の老化)マーカーであるペプシノゲン(PG)法と、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんの原因の一つと考えられているヘリコバクター・ピロリ抗体価検査を組み合わせて胃の健康度(胃がんリスク)を評価する方法です。

内視鏡検査を行わない場合の検診として行います。対象となる方や、費用等についてはお問い合わせ下さい。

ペプシノゲン法
ペプシノゲンの血中濃度を測定して胃粘膜の萎縮(老化)の状態を調べる検査方法です。

この検査は以下の方では注意が必要ですので主治医に相談して下さい;
上部消化管症状のある方、消化管疾患治療中の方、胃薬(PPIに分類される薬です。お薬手帳に記載されています)服用中の方、胃手術(切除)後の方、ピロリ菌除菌治療を受けた方、腎不全と診断された方

ヘリコバクター・ピロリ抗体検査法
胃がヘリコバクター・ピロリに感染しているか(検査時期よっては感染していたか)を血液で調べる方法です。ヘリコバクター・ピロリは胃酸分泌や胃粘膜の免疫能の不十分な幼児期・小児期(4-5歳頃)までニ感染するといわれています。成人いてから感染することは稀だといわれています。井戸水説などありますが確定したものではありません。

      

ABC分類
ペプシノゲン法とヘリコバクター・ピロリ抗体検査の結果で以下に分類します。
A群:健康的な胃粘膜
   胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃がんになる危険性が低いと考えられます。逆流性食道炎には要注意です。

B群:少し弱った胃粘膜(胃粘膜萎縮(+))、ピロリ菌陽性ですので除菌が必要です。
   胃潰瘍・十二指腸潰瘍など胃疾患に注意が必要です。暴飲・暴食、刺激物の摂りすぎ、喫煙、ストレスなど要注意

C群:弱った胃粘膜(胃粘膜萎縮が進んでいる)
   胃がんになりやすい状態です。胃内視鏡検査を受けて下さい。
   この時異常が見つからなくても、最低でも毎年胃内視鏡検査を受けて下さい。また、ピロリ菌除菌治療が必要です。

D群:かなり弱った胃粘膜(萎縮が強度)
   胃がんになるリスクの高い状態です。胃内視鏡検査を受けて下さい。この時異常が見つからなくても定期的な胃内視鏡検査が推奨されます。
   他の検査(胃内視鏡検査)でピロリ菌陽性の場合は治療が必要です。

E群:ヘリコバクター・ピロリ除菌後の方は胃がんリスクが0%ではありませんのでE群(除菌群)として定期的に胃内視鏡検査を受けてるようにして下さい。

当院で胃内視鏡検査を行った場合はピロリ菌検査を内視鏡検査時の生検あるいは血液検査(ピロリ菌抗体検査)で行います。ペプシノゲン検査は直接内視鏡で胃粘膜萎縮を確認するため行いません。
ピロリ菌検査陽性の場合は除菌治療を行います(内服薬による治療で保険適応)。治療後の判定は内視鏡でも、内視鏡を使わない尿素呼気試験法(ウレアーゼ検査)でも行えます(治療終了後4週経過以降から検査可)。