全国でインフルエンザ警報が出ています!
新型コロナウイルスが流行している間はインフルエンザ感染は例年と比べて激減しました。ウイルス干渉という現象もあるかもしれませんがワクチン接種をはじめころなに対するマスクや手洗いとうの感染予防処置がかなり有効だったと考えられます。
筑紫野市(近郊も含む:役所にお尋ね下さい)にお住まいの方で65歳以上の方は,市からの補助で1回接種のみ1,000円で実施でき(2回接種の場合の2回目の補助はありません)ます。この実施期間は3月31日までですが、早く実施しておかないと免疫ができるのに2週間くらいは必要で流行の時期と合わなくなります。予防接種でインフルエンザの感染を100%防げるものではありませんが、予防接種の実施で合併症(肺炎など)などによる重症化は防げます。九州地区では毎年2月頃まで流行が見られます。来年は流行の始まる前に実施するようにしましょう。
1月はインフルエンザA型(A香港型)が大流行しました。また1月中旬以降からはB型が見られるようになりました。
12月には既に学級閉鎖が発生していますし、年が明けてもこの傾向が続きました。2月になってA型などの重症化する感染は静まってきているように感じますが、今、急な発症で高い熱が出て、のどが痛い、からだの節々が痛い、だるい、頭が痛いなどの症状が現れたら診察を受けるようにして下さい。インフルエンザA・Bともウイルスを鼻腔やのどから検出することができます(15分くらい)。感染の早いうちから薬(今はインフルエンザA型・B型の治療薬があります)を使えば重症化すること(肺炎などの合併)を防げ結局早く治ります。大切なことは、インフルエンザと診断された場合は学校や会社には行かず自宅でゆっくり療養して下さい。回復も早いですし、何より次々と感染して拡がっていくことを防げます。
予防注射は効果的ですが、インフルエンザの予防接種を受けても感染しないということではなく、かかっても重症化せず早く治るとういうことです。しかも、その年の流行するウイルスの型がワクチンと違った場合は効果が現れにくいこともあります。数年前に多くの方が亡くなられた大流行がありましたが、特に、高齢者や乳幼児は注意が必要です。予防接種を行ったからといって安心せず、上記症状が出現したらかかりつけの先生に相談することが大切です。今度の流行で高齢者と子供が肺炎合併や脳症で亡くなったり重度の後遺症が出たりしています。ウィルス肺炎のこともあれば混合感染による細菌性肺炎の場合もありますので、症状が激しい場合は胸部レントゲン写真や血液検査を受けるようにして下さい。ほぼ全国でインフルエンザ警報が発令されていますし、2003年に厚生労働省が発表したインフルエンザ様疾患発生報告第11報(1月26日〜2月1日)によると、全国の幼稚園、保育所、小学校、中学校などにおけるインフルエンザ患者は127,125人に及び(報告では1月中旬で194,600人の累計感染者があり過去2シーズンを上回る流行になる可能性もある)、今シーズン最高を記録した前週よりさらに4割ほど増えたとのことです。休校措置を取った学校95施設、学年閉鎖を行った学校666施設、学級閉鎖を行った学校2167施設とすべて今シーズン最多となっています。また、国立感染症研究所の2003年第4週(1月20日〜1月26日)の感染症発生動向調査でも、インフルエンザの定点当たりの患者報告数(医療機関当たりの平均患者数)は38.52と、前週より9.37増えており、インフルエンザの猛威は収まる気配がありません。

注意:インフルエンザに予防薬はありません。

インフルエンザにかからないように処方する予防内服薬はありません。インフルエンザ感染と診断されてから早いうちに治療薬を服用すれば早くウイルス増殖が抑えられて早く治る、ということです。48時間以内使えば効果的と言われてはいますが、少々遅れてもちゃんと効果はありますので、確実な診断が大切です。次に説明するように、インフルエンザとよく似た症状を呈する風邪ウイルスは数種類ありますので、結局は対症療法にならざるを得ません。

インフルエンザ以外のウイルス感染による風邪(感冒)
今の時期、インフルエンザA型以外に、嘔吐・下痢を起こす文字通り「嘔吐・下痢症」もよく見られます。乳幼児の場合、ロタウイルスによるものが多く、脱水症になりやすい疾患です。さらにSRV(小型球形ウイルス)による嘔吐・下痢・高熱を症状とする感染症は学童以上、大人の方も罹りますので下記の予防を行って注意して下さい。
また、インフルエンザとよく似た症状で高熱を出してくる感染症にアデノウイルス感染症があります。風邪様症状で、咽頭扁桃炎,結膜炎,肺炎,胃腸炎,稀に髄膜炎などを起こしてきます。しばしば重症となる傾向が認められるので注意が必要です。

その他、一般的に風邪と言われるウイルス感染症の病原ウイルスとしては多数の種類があり,ライノウイルス,コロナウイルス,パラインフルエンザウイルスおよびRSウイルスなどがあります。これらのウイルスが病原となる頻度は季節によっても異なる傾向があり,一般的に寒い季節ではインフルエンザウイルス,RSウイルスが多く,夏期にはアデノウイルス,コクサッキーウイルス,エコーウイルスなどが主体と考えられます。
成人では多くの場合ライノウイルス,小児ではRSウイルス,アデノウイルス,パラインフルエンザウイルスが主体となります。

インフルエンザウイルスとこれらのウイルスが混合感染してくる場合もあり、さらに他の細菌感染が重なってくることもありますので、検査を行って確実な診断のもとで治療を受けるようにして下さい。また、風邪、特にウイルス感染症で大切なのは予防で、うがい・手洗いの実施、部屋の乾燥を防ぐなどの注意を行うようにして下さい。