食品に含まれる特殊栄養成分と病気との関係

2.食物繊維について
手術やけがなど体にストレスが加わったときや長期の絶食・点滴治療の実施によって腸粘膜は働かないことによって萎縮します。腸管は全身のリンパ系組織の約50%を占める免疫臓器であり腸粘膜の萎縮は腸管免疫の低下による腸管の防御機能を破綻させてしまいます。点滴ではなく直接腸に管を入れて流動食状の食品を入れる経腸栄養は点滴栄養に比べ生理的でで体に馴染みやすいのですが、食物繊維を含まないものでは腸管への刺激が少なく長期間この治療を継続すると腸管免疫能の低下心配されます。そこで,特殊栄養素材の一つとして食物繊維が注目されるようになってきたわけです。

食物繊維は大きく水溶性不溶性に分けられます。不溶性食物繊維は便の量を増加させて腸管の動きを活発化させ便秘を改善します。また、蠕動(腸の動き)の亢進によって大腸内で生成された発癌物質との接触時間を短縮させ,発癌を抑制するといわれています。一方、水溶性食物繊維は糖質やコレステロールを吸着することによりそれらの吸収を抑えるため糖尿病や高脂血症、心臓の病気のある患者さんに応用されています。水溶性食物繊維の中でもオリゴ糖は直接ビフィズス菌等によって選択的に活性化されビフィズス菌優位の腸内細菌叢を誘導し(プレバイオティクス素材)、これらのいわゆる良い細菌によって悪い腐敗菌の増殖を抑制します。これにより抗炎症作用の増強や発癌物質の生成が抑制される(発癌遺伝子発現の抑制もある)と言われています。

むらかみクリニックでは、糖尿病や高脂血症のある方、便秘がちで色々な緩下剤を試したけれど効きが悪い、あるいは効きすぎて薬を服用するとお腹が痛くなったり下痢気味になったりする方に水溶性食物繊維を摂ることを勧めています。下記の「サンファイバー」と「クッキンサプリFe顆粒」のいずれも取り扱っています。受付でお尋ね下さい。

太陽化学株式会社の製品であるサンファイバーを紹介します。
この製品は、グァー豆から抽出加工された天然水溶性食物線維で、食物線維含有率は80%あり、無味無臭かつ粘度が低く色々な料理に利用可能です。その効果は、腸内細菌叢改善血糖コントロールコレステロール等の脂質改善肌の状態を改善させる便通改善、下痢改善、小腸にある繊毛の改善、ミネラル吸収促進などです。天然成分のため毎日続けても安全で、熱に強く料理の味を変えず多量に摂取してもお腹が緩くなりませんので料理に混ぜて摂取することができます。例えば、フルーツを入れたヨーグルトにサンファイバー3g(サンファイバー1g=小サジ1で食物線維0.8gの補給が可能)を加える、煮物にサンファイバー3gを入れる、みそ汁に3g加えるなど、全くその存在を気にすることなく良質の水溶性食物繊維を摂取することができます。

太陽化学株式会社では、女性に多い鉄欠乏性貧血の改善に有効であるサプリメントのクッキンサプリFe顆粒も扱っていて、これも一般的な鉄補給サプリにありがちな嫌な鉄臭さを独自のコーティングによってほとんど解消させてあり、料理の味を変えないため水溶性食物線維同様に食事に利用できる製品です。他の鉄剤や鉄補給サプリメントにありがちな鉄臭さ、鉄の味(血の味)がなく、無味無臭のためそのまま服用することも可能で、1gで鉄分2mgが補給できます。

第1回目はn-3系脂肪酸について 
第3回目は微量元素と病気について 
第4回目は特殊栄養成分と生活習慣病の予防について 
第5回目は目と脳・皮膚の若返りについて 

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