2003年度(平成15年度)活動状況(2003年7月1日-2004年6月30日)

実施期間:2004年5月4日-2004年5月22日
活動地:ラオス チャンパサック県コーン郡(コーン島)の村落
    2003年(ASSCA活動平成14年度)に現地での調査活動を実施し援助活動の対象を決定
      メコン川の一風景(上空からと川岸)
参加者:全日程参加  真喜屋 清、 光吉三基子
    部分日程参加 中原由美子(5月4日-5月11日)
           山縣数弘 (5月13日-5月22日)
活動内容:虫卵検査(便検査)、駆虫薬投与、健康教育、セルカリア(住血吸虫幼虫生息状況調査)

これまで中国の感染地域で行ってきた同様の支援活動を行っています。中国と違って、現地に到着するまで航空機の乗換え回数も多く往復の時間がかかるのが欠点ですが、感染率もまだ多く、今後の活動によって重大な寄生虫疾患の一つである住血吸虫症が減少し撲滅されていくことを期待して支援活動を続けていく予定です。ちなみに、重大な寄生虫疾患として住血吸虫症以外にマラリア感染とフィラリア感染があり、世界中の熱帯・亜熱帯の開発途上国では今なお多くの感染者がいて重大な健康問題となっています。

   

            便虫卵検査               虫卵検査陽性村民に対する駆虫薬投薬状況      
    

   

          学童に対する衛生教育風景           衛生教育に使っている紙芝居の一場面       

  村落の風景     検診場所の子供たち

  学校での衛生教育授業   野外での衛生教育風景

現地の住民のうち約500名の便検査を実施し、便検査陽性による感染率は20%あり、これは感染率としては中等度以上の状況といえます。中国における重症感染地域では30%から40%以上の地域もありますが、ラオスのコーン島は住血吸虫濃厚感染地域で、今後の活動によって感染率を10%以下に改善させることを第一目標としております。そのために住民、特に学童に対する衛生教育を重視しており、今回も中国での活動で実感を得ている効果的な方法として紙芝居を使った衛生教育を実施しています。
今回はスタッフと器材の準備の関係で肝臓の超音波検査は行っておりませんが、超音波検査は簡便で肝臓に多く所見の見られる住血吸虫症(日本住血吸虫症、メコン住血吸虫症、マンソン住血吸虫症など)の診断と治療後の効果判定や経過観察に有用な検査方法です。

現地のスタッフ(ラオスは社会主義国ですのでカウンターパートは国の衛生省の担当者になります)からは、「これまでの色々な研究活動も含む衛生支援プロジェクトの中で、治療や衛生教育まで行ってその効果判定を翌年継続して行ってくれることは現地の人々にとって大変感謝されている」との評価を受けています。
         現地スタッフ

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