平成9年度(1997年)

江西省ではこれまでの診療の成果と経験を応用して新たな感染地域に対象を拡大し、診療、衛生教育等を実施。四川省では眉山県(めいしゃんけん)内の感染地域の集落で診療や衛生教育の継続。また、両地域とも現地スタッフの自立を目指しスタッフに対する技術指導にも重点をおいた。


 光学顕微鏡の購入及び輸送
  江西省寄生虫病研究所に3台
  四川省寄生虫病防治研究所に3台

 中国の感染地域での診療、現地スタッフへの技術指導、衛生教育
  1997年10月下旬から11月初旬に現地で実施
  江西省での感染地域:江西省新池県新華村(しんつーけんしんふあむら)
    検査;従来通り便検査、超音波検査、血液検査(免疫検査)で地域住民の感染率、罹患率、疾患の程度を調た。
    治療;感染率に応じて治療薬を投与する集団と投与の必要性の無い集団とに分け、さらに必要性のある集団でも感染の回数、程度に応じて治療薬(プラジカンテル)の投与回数を選択して実施した。
  四川省での感染地域:眉山県・盤鰲郷(めいしゃんけん・ぱんあおごう)
    検査;他の感染地域同様、便検査、超音波検査、血液検査を全住民から無作為に選んだ対象に実施し、集落全体の感染率を調べた。さらに、感染の程度や合併症の有無を調べ住民に指導した。
    治療;診療結果に応じて治療薬(プラジカンテル)を前もって決めている量と回数(期間)経口投与した。

 衛生教育
  江西省:新華村小学校での衛生教育授業
      スライドを使っての衛生教育授業を実施。
  四川省:四川省盤鰲郷診療所
      成人に対するで、検査を受けに来たときにポスター等を使って住血吸虫症の予防や治療の必要性を講演た。
  四川省:眉山県盤鰲郷小学校での衛生教育授業
      スライドや標本を使って主に予防について授業を実施。

 現地スタッフへの指導
 江西省、四川省とも超音波診断技術の指導は実際に現場で検査を行いながら実施した。便検査については、従来からある方法に加えて昨年度から指導してきた新しい便検査法を現場で指導し、同時に討論を行って現地スタッフの為の現場に即した方法に改良を加えていった。
 四川省では、現地の担当スタッフに対し昨年度同様スライドによる講義を行い、新しい技術をより確実に身につけてもらえるように努めた。現地からデータを送ってもらい、中国側、日本側双方で診療結果を検討し問題点や今後の方針などを討論、活動の評価を行った。
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