平成14年度(2002年)

2002年はASSCAの中国での住血吸虫症撲滅支援の現地に複数のスタッフを派遣して診療活動や衛生教育を行う事業としては最後の年になります。これまで10年間にわたって感染地域で検査・治療、衛生教育、現地専門家の育成、診療・検査機材の提供など行ってきましたが、その成果は大きく、感染率(罹患率)はかなりの改善をみています。もちろん、内陸部の濃厚感染地域は残存しているし、それらの地域では感染率が30%を超えるところもあります。しかし、中国の専門家の知識・経験は十分すぐれているところにあり、加えて中国の経済発展で内陸部地域も発展しており衛生環境も改善してきているため、現地専門家、地方政府、中央政府でこれらの事業を継続していけると思われます。

ここでまったく支援や交流を中断するわけではありません。これまでのような日本人専門家やスタッフを毎年現地感染地域に派遣しての支援活動や少額ながら医薬品費用や現地人件費を援助する活動が終了するだけで、個人的な交流や技術支援などは続けていくつもりです。

今後は、ASSCA(中国・東南アジアの住血吸虫症撲滅を支援する会)の名称通り東南アジアの国での住血吸虫症をはじめとする寄生虫疾患の対策支援を行っていく計画です。活動資金(医薬品費用、検査機材購入費用、衛生教育資材費用等)が得られれば、ラオスでのメコン川流域の住血吸虫症対策を支援していく計画です。

皆様からのご意見・ご支援をお待ちしております。

 1.援助事業の実施状況
(1)現地での活動

 四川省では昨年度に引き続き、四川省眉山県金風郷(晋風郷)の住民に対する診療を行っている。活動内容は2001年と同じ内容の継続。ただ、衛生教育については、今年度は費用・人材等の問題で例年通り子供たちが楽しみにしている人牛劇による衛生教育授業はできず、通常の授業での教育となった。子供たちが残念そうであったのが印象的でした。

 江西省の感染地域でも四川省と同じ活動を実施した。対象地域は昨年同様、江西省南昌県玉豊村で新たに実施している。診療の成果は翌年以降に同様の検査を行って評価するため、最低2年間は同じ感染地域で診療活動を行わなければならない。同じ地域で最低2年以上実施する理由は四川省も同じである。診療も同じ内容で、治療に関しては各省政府衛生部(日本政府の厚生労働省に相当)やカウンターパートの財政状況に基づいた治療法があり、その方針で実施する。

(3)診療(検査)結果に基づく投薬治療と衛生教育の継続
 治療は診療結果に基づいて現地スタッフがこれを実施し、成績を次の年(今年)の診療活動で確認・評価するが、今年度が中国での最後の年となるためFAXや電子メールでの連絡で評価を行っていくつもりである。

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